※この記事はYahoo!ニュースより引用しています。
「ワインが宙に浮いた」「無重力状態のようだった」-。31日未明、アムステルダム発関西空港行きKLMオランダ航空機がロシア上空で乱気流に巻き込まれ、乗員乗客計10人がけがをして大阪府泉佐野市内の病院に運ばれた。機体は突然、沈むように急激に落下し、機内からは悲鳴が上がったという。乱気流は発生の予測が難しく、飛行の安定後もシートベルトははずさないほうがいいと指摘する識者もいる。到着直後の関西空港で乗客らが恐怖の一瞬を振り返った。
乗客の和歌山県内の30歳代の女性によると、夕食のサービスの直後、席についていると、エアポケットに巻き込まれたようなストーンと落ちる感覚があった。約10分後、再びエアポケットに遭遇。激しく落下し、上部の棚から荷物が落下し、周囲から「キャー」という悲鳴があがった。
まだ夕食用の皿が席のテーブルにあった人は皿が天井にあたり、割れて散乱。子供の泣き声が聞こえ、騒然とした。
女性は「私も思わず悲鳴を上げた。たまたまシートベルトをしていたから大丈夫だったけど、していなかったら天井に頭をぶつけていたかも」。割れた皿で腕を切って血を流している人や、こぼれたコーヒーでやけどをした人がいた。しばらくすると、英語の機内アナウンスで「乗客のなかでお医者様はおられませんか」と流れた。エコノミー席から申し出があり、ビジネスクラスの方に治療に行ったという。
その後しばらくして、機長が機内のアナウンスで「今回の乱気流は予想外だった」という説明があったが、女性は「これまで仕事で何度か搭乗しているがこんなにひどい状態は初めて。2度目の時は驚いて何がなんだかわからなかった」と話した。
一方、別の男性は「機内が無重力状態となり、一瞬、ジュースやワイン、人も宙に浮いた。シートベルトをしていなかった人が天井に頭をぶつけていた。機内は、パニックにはなっていなかったが、ほとんどの乗客がその後しばらく呆然(ぼうぜん)としていた」
けがをした年配の女性は動けないため、関空に着陸するまで、ずっと床に座り込んでいたままだったという。
家族4人で、スペインを訪れていた徳島県つるぎ町、栗尾実太郎さん(40)は、ビジネスクラスの一番後ろに乗っていた。メーンディッシュを食べている最中で、2、3回、小さな揺れが起こった後、すぐに「ドーン」という音とともに、垂直に急降下したという。栗尾さんは「皿が天井にあたって割れて、天井が料理やワインで赤く染まった」と話した。
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元全日空機長の乙訓昭法さん(64)は「パイロットにとっては晴天乱気流の予測が難しく、乗客には常にシートベルトを着用してもらいたい。ただ、機内で快適に過ごしてもらうには無理な話。航空会社には頭の痛い話だ」と話した。
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